与信をマナブ!営業を成功に導く基礎知識
第3回取引先の与信情報の収集(ツール編)
こんにちは、中小企業診断士の杉山岳文です。今回は与信情報の収集ツールについて紹介します。
前回、与信評価に必要な情報として一次情報、二次情報があると説明しました。外部から入手できる二次情報取得に使えるツールを紹介します。
取引先調査を深く知る 信用調書
まず、企業調査会社が提供する「信用調書」。大手では帝国データバンク、東京商工リサーチが提供しています。また業種によって長年利用されている調査会社として東京経済、信用交換所等もあります。基本的には信用調書はこれらの調査会社の直販商品であり、入手には直接問い合わせることになります。
取引先の基本データ 企業概要データ
次に広く信用情報として使われるのが「企業概要データ」です。企業概要データは調査機関の直販だけでなく、ビジネスデータベース会社を通じても提供されています。ビジネスデータベースサービス G-Search では前述の調査機関が提供する企業概要データを横断して検索できます。調査対象の取引先企業が小規模企業や新設されたばかりの企業のケースでは、ある調査機関には情報が収録されていて、他の調査機関には情報が存在しない場合があります。横断検索ならば複数の調査機関の情報をワンクリックで検索できるので便利です。
ビジネスデータベースベンダーとしては「日経テレコン」、「G-Search(ジー・サーチ)」 等が有名です。サービスの大きな違いは日経新聞は日経テレコンにのみ収録されている点、G-Search は月額の固定費用がリーズナブルである点です。用途によって使い分けましょう。G-Search 経由で日経テレコンを利用することも可能です。
取引先調査 その他のデータ
「企業概要データ」以外にも、企業の各財務帳票データが得られる財務情報、登記間もない会社が収録されている新設企業情報、倒産速報である信用情報、または独自の信用格付けや倒産確率を収録しているリスモンG-与信ナビというサービスもあります。
海外の取引先の情報は、コファス海外企業信用調査サービスや、リスクモンスター中国企業信用調査を利用できます。
登記や官報はインターネット経由でも取得が可能です。登記は登記情報提供サービス、官報はインターネット版官報を利用しましょう。
取引先の動向を知る 新聞・雑誌記事の検索
新聞雑誌記事の検索も G-Search 等のデータベースサービスで利用できます。全国紙・地方紙、業界紙、海外ニュースと幅広く収録されている記事をキーワードで検索できます。最近、利用が多いコンプライアンスチェック(反社チェック)も新聞記事を検索することで可能です。コンプライアンスチェックについては別途、詳しく紹介する予定です。
またどうしても調査できない企業の場合(全く情報が得られない企業との取引は慎重を期すべきですが)は、G-Search にも収録されているゼンリン住宅地図情報で所在の実態を把握することも可能です。ゼンリン住宅地図情報では地図情報に加え表札情報も収録しています。所在住所が集合住宅や建物に企業の表札が出ていないケース等は取引を控えるべきでしょう。
これらの情報源を与信金額(取引額)や契約条件と組み合わせて利用すると良いでしょう。
取引先の与信調査に欠かせない、企業情報・与信情報サービスの詳細は以下からご覧いただけます。