調査コラム
マテリアルズ・インフォマティクスのトレンド変遷を追う
2021年9月9日掲載
マテリアルズ・インフォマティクスとは
マテリアルズ・インフォマティクス(MI)は、情報科学技術(インフォマティクス)を材料開発に応用する開発手法です。
研究者の経験や勘に基づく従来手法に比べ、開発期間の大幅短縮やコストの低減が期待されており、化学業界を中心に各社の取り組みが加速しています。
2018年から新聞記事が増加
2013年に登場し、2018年から急伸長
「マテリアルズ・インフォマティクス」は、いつ頃から登場した言葉なのか。
G-Searchデータベースサービスの新聞・雑誌記事横断検索を使って、新聞や雑誌記事に掲載された時期と件数から、これまでの状況を追ってみました。
2013年の時点では新聞記事の掲載はほぼ0件でしたが、2018年頃から急激に件数が伸びていることがわかります。
掲載された新聞のジャンル
化学業界で高まる注目
上記はG-Searchデータベースサービスで見ることのできる、新聞紙別のマテリアルズ・インフォマティクスに関する記事の掲載数です。
一般紙には全国紙でも数件しか掲載されていないなか、化学工業の専門紙である「化学工業日報」のほか、「日刊工業新聞」「鉄鋼新聞」に記事が収録されています。
化学工業日報に注目
上記は最も掲載回数が多かった「化学工業日報」の掲載件数推移を表示したグラフです。
専門紙が取り上げる内容は、その業界企業の活動を掘り下げる記事が多く、研究の成果が実用化や社会実装に向かう流れを追うことができます。
企業の具体的な取り組みを把握する
化学企業の成長戦略のキーワードとして台頭
新聞掲載内容をさらに掘り下げ、最近の記事見出しを見てみました。
マテリアルズ・インフォマティクス(MI)は、いまや化学系企業の成長戦略に重要なキーワードのひとつになっています。
2021年6月の記事を見ると、化学企業各社への社長アンケートで、DX投資の最優先にマテリアルズ・インフォマティクスを挙げるトップが多いことがわかります。
アンケートのコメントで具体的な活用用途と目指す成果が示されていることから、マテリアルズ・インフォマティクスが成果を見すフェーズに入っていることがわかります。
- マテリアルプロセス革新拠点、産総研が3地点で整備着手(2021.06.30 化学工業日報 3頁 写図表有 [全998字]
- 三井化学-日立製作所、MI技術の実証開始、高機能モノマー探索(2021.06.29 1頁 [全864字])
- 社長アンケート(2)「DX」 最優先はMI実用化、化学企業8割が増額投資(2021.06.08 1頁 写図表有 [全1,502字])
- トヨタ、MI利活用で最適解提供 材料技術者が直接運用、導入から活用まで「伴走」(クローズアップ)(2021.05.24 10頁 写図表有 [全2,328字])
- コンシューマー製品企業、AI活用し進化 花王、深層学習応用し素材開発(クローズアップ)(2021.03.22 16頁 写図表有 [全1,384字])
気になるキーワードから業界動向を掘り下げる
今回はマテリアルズ・インフォマティクス(MI)について、その注目度と動向を追いかけました。
気になるキーワードや調べたいテーマがある方は、ぜひ一度G-Searchデータベースサービスの新聞・雑誌記事横断検索で調べてみてください。
一般的なウェブ検索では見つけられない、業界動向を探ることができます。
執筆:G-Search編集部
競合調査や市場調査のデスクリサーチに
G-Searchデータベースサービスを活用
競合会社の活動や業界の動向などマーケティングに関わる情報は、新聞記事を使ってリサーチすることができます。専門分野・業界の企業活動や開発トレインドに特化したニュースは入手が難しいものですが、専門紙、業界紙、ビジネス雑誌の情報が収録された新聞・雑誌記事データベースを使うことで、競合他社が取組む開発や営業活動の状況や、自社の重点市場・業界の変遷などをチェックすることができます。
また、専門紙・業界紙の特集記事や連載記事、各業界のキーパーソンへのインタビューやコメントを読むことで、広く業界の動向を知ることもできます。新製品開発や新規市場の調査に関わるデスクリサーチや、効率的な情報収集に新聞・雑誌記事データベースを活用ください。