調査コラム
暖冬だと冷夏、猛暑だと豪雪は本当か?新聞記事数で検証
2019年8月9日掲載
今年も猛暑日が続き、熱中症で搬送される方のニュースが連日報道されています。皆さんも野外での活動だけでなく室内においても無理をせず、こまめな水分補給をお忘れなく。
さて、「暖冬だと冷夏」「猛暑だと豪雪」といった季節にまつわる話を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。果たして実際どうなのでしょうか。
科学的根拠は別として、G-Searchデータベースサービスに収録された過去の新聞記事の件数の推移から検証してみたいと思います。
平成15年~平成18年(10月~翌年3月)の冬期記事数を調査
2015年の冬期は「暖冬」の記事数が多く、2017年冬期は「寒波」の記事数が多い
先ずはじめに、過去4年間の冬期(10月~3月)に「暖冬」「寒波」それぞれのワードが含まれた記事件数を調べてみました。
国外の寒波などの記事をなるべく除く為、海外記事情報は含まず、全国紙、地方紙に絞って検索しました。結果としては、2015年10月から2016年3月までの期間は「暖冬」記事件数が多く、翻って2017年10月から2018年3月までの期間は「寒波」の記事件数が多い結果となりました。
2016年3月の記事では、暖冬で動物園やゴルフ場など例年より活況で、春スキーは6万人減という地方紙の記事がみられるなど、暖冬であったことが窺われます。一方、2018年は全国的に強い寒波に見舞われ、数十年に1度の大雪で千台以上の車が動けなくなったり、水道管の破裂による断水などの影響がでたという記事がみられました。首都圏でも積雪があって、JR在来線、私鉄の運休が相次ぎ、混乱したのを思い出しました。
2016年~2019年(4月~9月)の夏季記事数を調査
冬期の「暖冬」「寒波」と、「猛暑」の関連性は実際あるのか?
さて、冬期の記事件数がでそろった所で、いよいよ夏期の「猛暑」ワードの件数を過去3年について調べてみました。
結果としては、2018年の夏期に「猛暑」のワードを使用した記事件数が突出して多くなりました。この2018年の夏期は記録的な猛暑で「災害級の暑さ」は2018年末の流行語大賞にノミネートされたのでご記憶の方も多いと思います。
近年まれにみる猛暑となった2018年夏期の前の冬期は記録的な寒波に見舞われている事が記事数から見て取れます。あくまで記事数からの傾向ですが、「厳冬の次の夏は猛暑」という傾向あると言えなくもないと思われますが、みなさんいかがでしょうか。
2019年の夏はどうなる?
これまで調べてきた傾向から、この夏今後の暑さはどうなるのでしょうか。2018年10月から2019年03月までの「暖冬」「寒波」の記事数は、前年と違い、「暖冬」の方がやや多い結果となっております。この傾向からすると、今年は昨年のような「災害級な暑さ」にはならないのでは(あくまで記事数からの傾向ではありますが)。
しかし、2019年4月から7月までの「猛暑」記事数は既に1600件を超え、なかなかのハイペースですがどうなるでしょうか。できれば、暑さ寒さはほどほどにしていただきたいものです。
「暖冬」「寒波」「猛暑」関連記事をデータベースからご紹介
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- 大雪 帰宅の足直撃 乗客あふれる駅 列車立ち往生 2018.01.23 東京朝刊 37頁 (全1,695字) 読売新聞
- チェック:猛暑、蚊も夏バテ 35度以上で吸血意欲低下 2018.08.31 東京夕刊 1頁(全949字) 毎日新聞
執筆:G-Search編集部
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