調査コラム
年間12兆円の経済損失を防げるか?DXへの注目を記事で調査
2020年1月17日掲載
「2025年の崖」問題、ニュース等で見聞きされた方も多いのではないでしょうか。
海外と比べてシステムの老朽化が進んでいる日本企業は、このままでは2025年以降に年間で最大12兆円の損失が発生すると経済産業省が警告しています。その解決を図るために、「デジタルトランスフォーメーション(DX:Digital transformation)」(以降「DX」)を推進する企業が増えています。
「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」として、2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が提唱したといわれている「DX」。 G-Searchデータベースサービスを使って、「DX」がどのようにこれまでの紙面に掲載されてきたのかを調査しました。
2018年~2019年の月間記事数を調査
初掲載は「DXを今後の社会に不可欠な要素」とみなした企業に関する記事
G-Searchデータベースサービスで検索したところ、「DX」が初めて紙面に登場したのは、2016年11月の化学工業日報の記事でした。 OKI(沖電気工業株式会社)がスマート社会やIoT、インダストリアル4・0などを包容するDXを今後の社会に不可欠な要素と見なし、要素技術・事業をIoTビジネスプラットフォームとして一元化する、という記事でした。
2018年には、企業のDX実践方法などDXに関わる様々なコンサルティング需要が継続的に発生するとの見込みから、国内のビジネスコンサルティング市場は、2022年に2017年比43%増の5612億円になるとの予測がIT専門調査会社のIDC Japanから発表され、記事の掲載が増えていきます。 次に、2018年以降の月ごとの記事掲載数の動きを調べてみました。
2018年以降の月間記事数を調査
「2025年の崖」問題の解決をめざす法律改正案
2019年10月に政府より「情報処理の促進に関する法律」改正案が提出されたことで記事数が大きく増加。政府が改正案を提出したことで、「2025年の崖」問題を解決するために、企業のDX推進に関するニュースも増え続けています。この改正案は衆参議院で可決され、12月に公布されました。
日経コンピュータや化学工業日報など、専門紙誌での掲載が目立つ
DXが掲載された媒体別で見てみると、全国紙や地方紙といった新聞での掲載は少なく、専門紙やビジネス関連の書籍・雑誌での掲載が目立ちました。2019年10月以降で見ると、最も多く掲載されたのは日経BP社が発行する「日経コンピュータ」や「日経SYSTEMS 」などの雑誌33誌を収録した、記事データベースの「日経BP雑誌横断検索」でした。
次に「化学工業日報」「日刊工業新聞」と専門紙が続いています。 2020年に入り、今年の予測記事や企業トップの年頭所感記事など、DXに関する記事はすでに多く掲載されています。これから、DXによって社会がどう変化していくのか、どのような媒体や記事に取り上げられていくのか注目ですね。
DX関連の注目記事をデータベースからご紹介
- OKI、ICTで社会づくり推進、要素技術・事業を一元化 2016.11.29 化学工業日報 8頁 (全1,055字)
- キーワード~デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation) 2017.05.25 日経コンピュータ 1頁 第939号 22頁 (全1,299字)
- 国内ビジネスコンサル市場、22年に17年比43%増の5612億円 2018.03.28 日刊工業新聞 4頁 (全342字)
- 企業の情報システム刷新に指針 政府、デジタル化促進法改正案が判明 2019.10.03 FujiSankei Business i. 4頁 総合 i総4 (全1,003字)
- 「25年の崖」克服へ新指針=情報処理改正法が成立 2019.11.29 時事通信 (全387字)
- 特集1 2025年の崖を越える~事業とITの両輪で取り組む推進体制 2019.12.01 日経SYSTEMS 第320号 42~43頁 PDF2頁(481KB) (全2,383字)
- 特集1 DXの現場2020~2020年に取り組むべきテーマ 2020.01.01 日経SYSTEMS 第321号 24~27頁 PDF4頁(821KB) (全5,078字)
- 特集 総予測2020 (5/7) 2020.01.04 週刊ダイヤモンド 168~180頁 PDF13頁(3667KB) (全15,221字)
執筆:G-Search編集部
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