調査コラム

キャッシュレス決済にポイント還元。消費税増税対策で何かと話題のキーワードキャッシュレスをを記事データから見る

2019年1月18日掲載

消費税の増税による景気支援策として政府が打ち出した案が、中小の小売店などで「キャッシュレス」決済をした消費者に購入額の2%をポイント還元するというものだ。

これにより「キャッシュレス」というキーワードがにわかに注目をあつめる事となった。今回はこのキーワード「キャッシュレス」が新聞や雑誌記事でどのように取りあげられていたのか、G-Searchデータベースサービスの「新聞・雑誌記事横断検索」を使い探ってみた。

過去10年間の「キャッシュレス」新聞・雑誌記事掲載件数を調査

記事の増加は2014年から

「キャッシュレス」が使われた記事を過去10年遡って、新聞・雑誌記事横断検索で調べてみた。キャッシュレスというワードはかなり昔より存在するが、2014年までは取り扱われる記事件数もそれほど多くなく、記事数の変化もさほどみられない。2014年以前に扱われた記事の内容は主に、業界のキャッシュレス化の動向や、企業のサービス参入の記事だ。

2014年頃からは、企業や銀行のサービス参入の記事に加え、電子マネー、スマートフォン、プリペイドカードなどの決済方法の多様化の記事と、それにともなうキャッシュレス決済のトラブルについての記事が増加、2017年にはついに年間1,300件を超え、3年前の7倍以上の記事件数となった。

海外にくらべ、日本はキャッシュレス化は遅れているといわれているが、キャッシュレス化の波は着実に高まりつつある事がうかがえる。

2018年の「キャッシュレス」新聞・雑誌記事掲載件数

一気に増加する2018年。要因は消費税の増税対策と「ペイペイ」

そして2018年、一気に7,000件近いキャッシュレスの記事が掲載された。急増の要因は、冒頭で申し上げた政府の消費税増税対策の「キャッシュレス決済にポイント還元」案だ。

政府がこの増税対策を打ち出したのは、先にもふれた日本のキャッシュレス化の遅れが大きな要因だ。これからオリンピック・パラリンピックに加え、大阪万博と大きくインバウンド需要が見込めるイベントが続く日本としては、ここでキャッシュレス化を促進しておきたい政府の意向が明確にでている。

しかし記事によると、キャッシュレス化に対応しなくてはならない中小の小売店としては、これまでの現金商いからキャッシュレス化への変更が困難で、増税対策の中小支援どころか逆に大手に客を取られるのではないかと懸念を感じる店もある。一方で、導入ハードルの低いモバイル決済を導入し新たな顧客獲得に積極的な地方の商工会など、受け止め方はそれぞれだ。

もう一つ記事数を引き上げた要因はQRコードによる決済サービス「ペイペイ」をめぐる話題だ。サービス開始に掛かるキャンペーンは多くの人の耳目をあつめ、話題となったスマホ決済サービス「ペイペイ」。しかしその後クレジットカードの大規模不正利用が発覚。政府はQRコード決済サービスの不正利用防止ガイドラインの策定を検討するなど、大きく取り扱われる事となった。

銀行主導の新電子マネーからお賽銭まで、加速するキャッシュレス化の動き

増税対策以外にもあらゆる業界でキャッシュレス化の動きがある。いくつか例をあげると、コンビニでのスマホ決済対応拡大や、複数の銀行が参加する新電子マネーサービス立ち上げ、お賽銭のキャッシュレス化など、キャッシュレス化が今後加速していく傾向は間違いないようだ。詳しい内容については是非、以下記事を参照いただきたい。

キャッシュレス関連の注目記事をデータベースからご紹介

  • 国民生活センター、キャッシュレス決済に注意喚起 2014.12.01 ニッポン消費者新聞 (全838字)  日本消費者新聞社
  • 増税対策 膨張9項目 マイナンバーカードにポイント キャッシュレス決済で5%分還元 「現金のみ」 町の商店困惑 2018.11.27 朝刊 1頁 1面 (全1,299字) 
  • 県内小売店や商工団体 モバイル決済 導入加速 2018.12.29 本紙朝刊 1頁 A版 総合1 写有 (全1,390字)  茨城新聞社
  • ◎経産省、QR決済不正防止へ検討会=来年3月末までに対策指針 2018.12.28 時事通信行政ニュース (全276字) 
  • スマホ決済、1000店へ ローソン、人手不足に対応 「ローソンスマホペイ」 2018.12.26 朝刊 中経 (全415字)  熊本日日新聞社
  • ◎みずほFGの新電子マネー、来春にも=地銀60行が参加 2018.12.26 時事通信 (全380字)
  • ◎「電子さい銭」全国で拡大=神社・寺、訪日客らに狙い−「便利でいい」「御利益ない」2018.12.30 時事通信 (全832字)

執筆:G-Search編集部

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