調査コラム
カーボンニュートラル実現のキーワード、カーボンリサイクルを追う
2021年11月26日掲載
カーボンニュートラル、カーボンリサイクルとは?
地球温暖化による気候変動対策はグローバルな課題です。世界各国で二酸化炭素の排出量削減への取り組みが進められています。
「カーボンニュートラル」は、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることで、「カーボンリサイクル」は、その二酸化炭素を資源として捉え、素材・燃料などに再利用することです。
ここでは、二つのキーワードについて、国内の取り組み動向を調査していきます。
2050年カーボンニュートラル宣言によって注目を集める
2020年11月以降、急激に伸長
グラフは、「カーボンニュートラル」の文字列が登場した回数です。
この言葉は、2020年10月に政府が「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指す」と宣言したことをきっかけに広がり、記事にも多く取り上げられるようになっています。
そしてカーボンニュートラルを目指すにあたり、具体的な施策としてあげられているもののひとつが「カーボンリサイクル」です。
ここからは、「カーボンリサイクル」について詳しく見ていきます。
掲載された新聞のジャンル
化学工業日報、電気新聞に多く登場
直近一年の、各誌の記事掲載件数を調べました。
化学工業日報と電気新聞に、それぞれ100件以上の掲載があります。
このほかにも、30件以上の掲載がある媒体として、日刊産業新聞、日刊工業新聞、建設通信新聞、産経新聞がありました。
具体的な取り組みを業界新聞・専門誌で確認する
資源化に関する重要なキーワードから掘り下げる
二酸化炭素を資源化するためには、分離・回収技術や、メタン、メタノール、オレフィンなどを製造する技術が必要となります。
カーボンリサイクルの実用化・事業レベルの状況をつかむには、その業界の企業の活動を取り上げている専門誌の情報を検索する方法が有効です。
そこで、メタンやオレフィンの製造に関するカーボンリサイクルの技術に的を絞り、G-Searchデータベースで絞り込んで実態を調査しました。
実際にヒットした記事を見てみると、IHI、東京ガス、JFEホールディングス、日立造船、三井物産など、様々な企業の情報がありました。
そのほか、経済産業省がカーボンリサイクルの技術ロードマップを改定した記事をはじめ、国の取り組みに関する情報も得ることができました。
- カーボンリサイクル、IHIなど研究参画/NEDO委託・助成に6件(2021.10.18 電気新聞)
- 2050持続可能な未来へ バイオプラスチック(6)三井物産プラスチック 容器から食品残渣まで一括処理体制構築へ(2021.10.11 化学工業日報)
- 創立85周年記念特集 第1部 カーボンニュートラル挑む化学業界(2021.10.11 化学工業日報)
- CO2直接回収法、大型プロジェクト続々、海外民間すばやい動き(2021.10.05 化学工業日報)
- カーボンリサイクル、社会実装に向け政策的支援が必要(2021.10.05 ジェトロ・ビジネス短信)
- 水素とCO2でメタン生成/採算性確保へ実証/アサヒ(2021.10.01 建設通信新聞)
- メタネーション実用へ“活気”、東ガス・日立造船など開発進む(2021.08.31 化学工業日報)
- 総合商社のSDGs戦略 三井物産・進む「業際間連携」の強化(企画記事)(2021.08.06 化学工業日報)
- 経産省、カーボンリサイクル行程表を改訂、汎用化学品の普及前倒し2021.07.27 化学工業日報)
気になるキーワードから業界動向を掘り下げる
今回は「カーボンニュートラル」と「カーボンリサイクル」について動向を追いかけました。
気になるキーワードや調べたいテーマがある方は、ぜひ一度G-Searchデータベースサービスの新聞・雑誌記事横断検索で調べてみてください。
一般的なウェブ検索では見つけられない、業界動向を探ることができます。
執筆:G-Search編集部
競合調査や市場調査のデスクリサーチに
G-Searchデータベースサービスを活用
競合会社の活動や業界の動向などマーケティングに関わる情報は、新聞記事を使ってリサーチすることができます。専門分野・業界の企業活動や開発トレインドに特化したニュースは入手が難しいものですが、専門紙、業界紙、ビジネス雑誌の情報が収録された新聞・雑誌記事データベースを使うことで、競合他社が取組む開発や営業活動の状況や、自社の重点市場・業界の変遷などをチェックすることができます。
また、専門紙・業界紙の特集記事や連載記事、各業界のキーパーソンへのインタビューやコメントを読むことで、広く業界の動向を知ることもできます。新製品開発や新規市場の調査に関わるデスクリサーチや、効率的な情報収集に新聞・雑誌記事データベースを活用ください。